2011/05/05 種子島屋久島キャンプツー(7日目)
〜縄文杉見物登山記〜



02:55、セットしていた目覚ましより早く起床。
…今日も飽きずに雨です。

今日は屋久島の大名物・縄文杉を見るため、九州最高峰・宮之浦岳に登ります。
なので、まずは朝食。

…かさばらないし便利かなと思ったカップ○ードル・リフィル、パッケージから出しづれえな。
ボロボロに砕けた麺を、ズルズルズル。

2011/05/05 03:21 ライダーハウスとまり木

縄文杉を見に行くには、屋久杉自然館なるところから
登山口までバスに乗らにゃいけません。
始発は04:40、それに乗るべく4時過ぎにとまり木を出発。

真っ暗な道をカブで走り抜け、20分ほどで屋久杉自然館に到着。


2011/05/05 04:33 屋久杉自然館
無事、始発に間に合いました。
あっという間に補助席まで満員になり、定刻を待たずにバス発車。
40分ウトウトしてたら荒川登山口に到着しました。
さっとトイレを済ませ、ソロだから念のため登山届をポストに投函し、速やかに登山開始。

この後も登山客は続々やってくるはずなので、狭い登山道が混みあう前に登ってしまおうという作戦。

2011/05/05 05:18 荒川登山口

2011/05/05 05:27 荒川登山口付近
まだまだ暗い登山路をClimb on!

宮之浦岳・縄文杉登山は大きく「前半」と「後半」に分けられます。
で、前半はこのような森林鉄道のトロッコ軌道上のトレッキングな訳ですが…
ばばん。

いきなりこんなです。

2011/05/05 05:46 荒川登山口付近

2011/05/05 05:46 荒川登山口付近
一応木道はあるものの、雨でツルッツルの線路と潤滑水たっぷりの枕木でできた、欄干も何もない橋を行きます。

これ、高所恐怖症の人は出発25分でリタイアじゃないか?(汗)
トロッコ軌道も万事こんな調子。
トレッキングシューズが出発早々、あえなく水没。

2011/05/05 05:59 荒川登山口付近

2011/05/05 06:57 仁王杉手前
前半はひたすら木道を歩かされます。
軽便鉄道の軌道を歩くことになるので傾斜は大したことないけど、変化がなくいささか単調。

ビニール袋で覆って防水に仕立てたコースガイドで現在位置を確認しながら、ただただ歩きます。
イベントがあるとすると、他の登山客を追い抜くときか、野生の動物との遭遇くらい。

昨日もテントサイトで見かけたヤクシカを発見。
ちっちゃくてかわいいな。

2011/05/05 07:00 仁王杉手前

2011/05/05 07:17 仁王杉
たぶん名木・仁王杉。
メガネのレンズもデジカメのモニタも雨粒で歪んで何が何だか、な状況で撮った写真なので訳分らん…。

つかね、登るなら綿密な予習をオススメします。
この仁王杉を始め、途中に何ヶ所も名木・見所が出てくるんだけど、知らないで登ってると何が何やら…。
出発から2時間ちょい、前半の終点・大株歩道入口に到着。
これであんまり面白くない木道散歩から解放だっ!

2011/05/05 07:28 大株歩道入口

2011/05/05 07:29 大株歩道入口
「ここから急坂になります」
「遅くとも午前10時までには出発してください」

地味な脅し文句が並んでます。
とまり木の姉さんに作ってもらった「おにぎり」2個のうち、1個をここでほおばる。
でっかくて塩の利いたおにぎりが何とも美味。

ピントがズレてるのはご愛嬌。
雨で液晶モニタがボヤボヤで…。

2011/05/05 07:33 大株歩道入口

2011/05/05 07:39 大株歩道入口
よおーし。
燃料も補給したことだし、一気に目標を陥れてくれるわ!

「…あれ?地図がねぇぞ?」

勇んで出発したのも束の間、おにぎり食べるときに置いたままの地図を忘れていたことに気付き、再び大株歩道入口へ。

あったあった、危ねぇ…。

2011/05/05 07:42 大株歩道入口

2011/05/05 07:54 大株歩道入口付近
入り口にあった脅し文句の通り、大株歩道入口からは急坂というか、ご覧のとおりの「登山」になります。
木道と違って変化に富んでいるから飽きないけど、こりゃ登り甲斐あるな!

ということで、ガイドを立てたカップルの後を、着かず離れず。
さすがはガイドさん、ド素人の観光客の体力をよくご存知で、無理のないペースを維持。おかげで助かりました。
豊臣秀吉による大坂城築城に際して切られたという、ウィルソン株に到着。
見上げるとハート型に見えるというので切り株の内部に入ってみたけど、よく知らなかったせいでハートを拝めず、そのままスルー。

て云うか、ずーーーっと雨でいい加減イライラする訳ですよ。

2011/05/05 08:00 ウィルソン株

2011/05/05 08:14 ウィルソン株付近
いかんいかん、血糖値が下がってきてだんだん疲労感が。

小一時間前におにぎりを食べたけど、エネルギーの大量消費に備えて持ってきた蜂蜜を随時補給しつつ、一歩一歩登っていきます。
清い水が勢いよく流れるポイントを発見。
飲んでいいものやら分らなかったものの、持ってきた水の残りも少なかったのでパックに補給→そのままゴクゴク。っかー!ンマい!

「その水って飲めるんですか?」

と他の登山客から聞かれたけど、

「いや、知りません」

ビバ自己判断。

2011/05/05 08:32 大王杉付近

2011/05/05 08:39 大王杉
大王杉……のはず。
出発から3時間以上登り続け、このころにはすっかり雨にやられ、ヘトヘトだし眼鏡は曇るし…。
景色が楽しめないので下を向いて歩いていたら、こんなのが。
そういえば、世界遺産なんだよな。

2011/05/05 08:42 大王杉付近

2011/05/05 08:43 夫婦杉
コースガイドで最後のチェックポイント・夫婦杉に到達。

よーし、あと50分!
宮崎アニメの「も○○け姫」に出てきそうな光景を横目に見ながら、上へ上へ。

もうすぐ縄文杉だと思うと気持ちは軽くなるものの、雨で滑るので足取りは慎重に。

2011/05/05 08:59 夫婦杉付近


そしてようやく!



2011/05/05 09:08 縄文杉
到着、縄文杉!太い!

いやはや、着いた着いた。
片道11km、4時間ちょい。雨には大いにやられたけれど、登山客の先頭集団だったので幅の狭い道で行き違いに難渋することもなく、スムーズに登って来られました。
うむ、満足満足。

よし、では下山だ。
と、その前にお昼ごはん。
雨に打たれながら食べるのは嫌だったので、すぐ近くの高塚小屋(避難小屋?)に移動し、おにぎりを展開。

2011/05/05 09:18 高塚小屋

他の登山客も雨を嫌がってここに避けてきたけど、
そのうちの若いカップルが

「このまま宮之浦岳登頂したいんですけど、
ルートってこの道行けばいいんですよね?」

…登る気満々なのは素晴らしいけど、仮にも九州の最高峰、
2,000m近い山に登るんならルートは調べとかないと。
ルートについては自分にも分らなかったので、「無事の下山を」とだけ。


2011/05/05 09:33 縄文杉
でっかい傘を差してるのはガイドさん。カッパなし・Tシャツ短パン装備でした。
登りなれてるからできることだけど、俺も傘持って来りゃよかったなぁ。
カッパだけだとズブ濡れになります。

て云うか、天気のいい日に来たい。
せっかく4時間かけて登って来たのでもう少しゆっくりしていたかったけど、雨と汗に濡れた体にゃ標高1,300mの高地は寒くて寒くて…。
(当たり前ですが、着替え必携です。)

体が冷えて筋肉が硬直する前に下山を開始。

2011/05/05 09:37 縄文杉付近

2011/05/05 10:05 縄文杉付近
登山道上にも縄文杉みたいな古木がゴロゴロ。
登ってくるときは登ることに一生懸命でスルーしてたけど、下りとなるとちょっと余裕が。
コケの具合とか根の生え方とかをじっくり見物。
さて、この辺りから登りの大集団といくつものすれ違いが。
基本的に登り優先なので木道を空けて待つんだけど、いかんせんみんな登り疲れててて歩みが遅い上、ツアー客は一団の人数がすごいので、なかなか下りられない…。

何度も登山道を空けて待機。

2011/05/05 10:11 縄文杉付近

2011/05/05 10:54 翁杉
名木・翁杉……の残骸。
残念ながら、先日台風が直撃した際に折れてしまったとのこと。

ま、これも自然の循環の一場面だから、しょうがないね。
お、線路だ。
大株歩道入口まで戻って来ました。

山頂〜大株歩道入口の間には木道もあるものの、岩やら根っこやらが多くて滑りました。
雨が降り続くと、その分足元の状況も悪くなるからなおさらで、そんな中、レンタルしたダブルストックが大いに役立ちました。

縄文杉登山、雨のときはダブルストックをオススメします、マジで。

2011/05/05 11:12 大株歩道入口

2011/05/05 11:40 大株歩道入口付近
大株歩道入口で少し休んで、軽便軌道上を下山継続。
岩がゴツゴツした道を違ってこの木道は楽やねぇ。

つーか、いきなり運動強度が下がったせいで体温も下がって、寒い!
「正面に見える山が石塚山です」

…えーと、真っ白でなぁんも見えません。orz

2011/05/05 11:49 ?

2011/05/05 12:31 小杉谷休憩舎
寒さに震えながら下りてきましたが、ガマンの限界…。
登山口までたぶん1時間くらいだけど、耐えかねてここで装備転換。

木綿+化繊+木綿+化繊という組み合わせで着てましたが、
思い切って木綿を排除し、化繊+化繊に。

おおお暖かい!さすがそれ用の機能性衣料!
モンベル ジオラインMWシャツ+サーマラップジャケット最高!

寒くなくなったところで足取りも軽快に。
でも足元はこんななので、足の運びには警戒を。

縄文杉見た帰りに登山口のすぐ手前で墜死とか、シャレにならん。

2011/05/05 12:36 小杉谷付近

2011/05/05 12:37 小杉谷付近
雨は一向に止む気配もなく、木道ももはや「小川」状態。

どうせ靴も中までずぶ濡れだから気にしないけど、枕木が滑って歩きにくいのには閉口。
ヤクザル発見!

小さいな。

2011/05/05 12:56 小杉谷付近

2011/05/05 13:00 小杉谷付近
すこーしだけ雨脚が弱まってきた?

やっとこ「景色」らしいものが見えるように。
絵になるなぁ。
2011/05/05 13:01 小杉谷付近

2011/05/05 13:13 荒川登山口付近
この素掘りのトンネルまで戻ってくると、登山口はまもなく。
登山口に帰着。
往復22km、ジャスト8時間の行程でした。

や〜お疲れ、俺。

2011/05/05 13:16 荒川登山口

2011/05/05 13:41 荒川登山口
帰りのバスも始発に乗れました。

バスの座席には雨の日用?にビニールカバー済み。
座席を濡らさないための措置なのは分るけど、カーブの度に滑る滑る…。
バスに小一時間揺られて、自然館まで戻って来ました。

とまり木の姉さんに下山の報告電話もしたし、帰るとしますか。

2011/05/05 14:49 屋久杉自然館

2011/05/05 15:24 屋久島空港付近
とまり木近くのスタンドで給油。

♪赤上げて、白下げて、5円値上げして7円値下げ(補助)…。

税金ってこういうところでこういう風に使われてるんだな。

とまり木に戻って洗濯機を回し、近くのコインランドリーで乾燥。
時折止みはするものの、一日雨だと乾燥機がありがたいッス。

とまり木での夕食は、常連さんに誘われて焼き肉宴会に参加。
普段飯ごうでごはんを炊いていると話すと、なぜか「シメに炊いて!」と言われて、一合だけ炊くことに。
普段炊くのは三合なので一合なんて少量には緊張しましたが、経験が活きて無事みんなに満足してもらえる炊きあがりに。

BBQの後は屋内に移動して宴の続き。
ここで馴染みの「おやじさん」がギター片手に登場し、とまり木ソングを熱唱。

2011/05/05 22:35 ライダーハウスとまり木

♪死ぬほど 雨が降る降る 今日も一日何もしない
死ぬほど 雨が降る降る 今日も一日何もしない…

みんなが酔いに任せて聞いていないのに困惑している様子だったけど、
強烈に印象に残る、いい歌を聞くことができました。

そうか、屋久島は死ぬほど雨が降るのか。
それを思うと、雨に降られつつも目的を果たして帰って来られたのはLuckyでした。


2011/05/06 00:51 ライダーハウスとまり木
気持ちいい酔いと疲労感に包まれながらも、まだ眠る気にならず、常連さんと外に移動して焚き火を囲む。
小雨が降ったり止んだりだったけど、ポツリポツリ互いの話を交わしながら小さな火を眺めるのは、穏やかで贅沢な時間でした。

この写真を撮った後、恐らく25時頃にテントに戻り、就寝。
思い出深い登山、美味しいごはん、楽しい酒、快い音楽、
そして焚き火を囲んでの、安らぎの時間。

ああ。屋久島って良い島だな。



屋久島に行ったらぜひと思っていた、縄文杉を見ることができました。
が、天気に嫌われ続けて、今日も雨・雨・雨…。
そろそろ止んで欲しいところですが、
予報では明日も天気は回復しないとか。
短い滞在でしたが、明日は屋久島から鹿児島市に戻る日。
せめて雨が止めば、明日の早朝に屋久島を一周したいんだけど…。

トラックデータはこちら。
(登山のデータも含んでますが、木に邪魔されてほぼ取れてません)
走行距離:27.1km
04:10とまり木出発→17:18洗濯してとまり木に戻る

種子島屋久島キャンプツー(8日目)


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